住宅ローンの審査結果で条件付きとなったらどうすればよいか?

人生の中でも大きなイベントとなる住宅の購入ですが、大きなお金が動くことになるため手続き一つひとつを慎重に進めたいものです。なかでも重要となる手続きが金融機関とのやりとりです。住宅ローンを申し込んだ後、その審査結果が条件付きとなった場合、住宅ローンはきちんと借りられるのでしょうか。

本記事では、基本的な住宅ローンの審査の流れや条件付きの審査結果の分類、課される条件などについて解説していきます。住宅ローン審査で条件付きでの承認のしくみを理解し、ぜひ今後の手続きの参考としてください。

【目次】
住宅ローンの審査の流れ
審査結果の分類と内容
条件付きの場合の条件とは
条件付きでも借りられないわけではない!

住宅ローンの審査の流れ

住宅ローンの審査は、一般的に以下の流れで行われます。

1. 事前申し込み
2. 事前審査(仮審査)
3. 正式申し込み
4. 本審査
5. 住宅ローン契約
6. 借入

住宅ローンを申し込んだ後、基本的には2段階の審査を経る必要があります。最初に行われるのが「事前審査(仮審査)」で、その後に行われるのが「本審査」です。

事前審査(仮審査) は本審査に進む前のステップで、本審査に通過できる見込みがあるかを調べるのが目的となります。審査としては簡易的で、申込者の返済能力と返済能力に見合った無理のない返済プランになっているのかという2点が主に見られます。

申込者の年収などや他でローンを抱えていないか、借入の希望金額が適切か、希望する返済期間は適切か、信用情報に問題はないかといった点が審査対象となり、おおよそ3日~4日ほどで審査が完了します。

本審査 ではさらに詳細な情報が検証され、源泉徴収票や住民税の課税証明書など提出書類も増え、金融機関の本部や信用保証会社によって審査が行われます。物件の詳細と借入希望金額の妥当性、申込者の年収や返済負担比率、就業状況や勤務先の調査、申込者の健康状態など細かく見られるため、審査結果が出るまでには1週間から長くて1か月ほどかかります。

本審査の結果、承認の決裁が下りれば資金の準備が完了し、住宅の購入手続きが最終段階の契約締結に進みます。この一連の流れの中で、特に物件を押さえるための事前審査(仮審査)が重要となります。

審査結果の分類と内容

住宅ローンの審査結果は「本承認」「仮承認」「条件付き承認」「非承認」の4つに分類されます。さらに審査の流れに沿って分けると、事前審査(仮審査)においては「仮承認」「条件付き承認」「非承認」、本審査では「本承認」「非承認」のいずれかの結果が返ってきます。

まず、「本承認」とは本審査が完了し、借入が正式に承認される状態を指します。この段階で借入ができることが承認され、契約手続きに移ることができます。

「仮承認」とは、事前審査(仮審査)の段階において承認されるもので、おおよその借入可能額が提示される状態です。ここでの承認はあくまで仮であり、本審査で提供される情報によっては結論が変わる可能性があります。

「条件付き承認」は、事前審査(仮審査)において承認できるものの、一部の条件を満たす必要がある状態を指します。ここで課される条件については以下で詳細を説明します。

最後に、「非承認」とは何らかの理由で審査が通らなかった状態であり、その理由によっては追加情報の提供による再審査や条件の変更を行うことで再び審査を申し込むことができる場合もあります。

条件付きの場合の条件とは

事前審査(仮審査)において「条件付き承認」となった場合、主に以下の4つの条件が課されます。

・減額での承認
・残っている他の借入の返済
・保証料の加算
・連帯保証人の追加

これらの条件は、申込者の返済能力や信用情報などを考慮して設定されます。課された条件を満たすことで本承認に移行し、住宅ローンを利用することが可能です。以下ではそれぞれの条件について説明します。

減額での承認

住宅ローンの金額が希望よりも少ない金額で承認されるケースです。減額承認には申込者の返済能力の評価と対象となる物件の担保評価の2つの原因が考えられます。

申し込む人の返済能力の評価が低い場合

返済能力を評価する基準の一つに返済負担率があります。返済負担率とは住宅ローンを含む全ての借入の返済額の、年収に占める割合です。返済負担率は金融機関ごとに決められていますが、フラット35では以下のようになっています。

・年収400万円未満:30%以下
・年収400万円以上:35%以下

希望する借入額では返済負担率の条件を満たせない場合、非承認または減額での承認となるでしょう。その他、以下のようなケースが減額承認の原因となる可能性があります。

・収入が安定していないと評価される
・完済時の年齢が高い
・過去にローンの滞納歴があった

物件の担保評価が低い場合

申込者の返済能力に問題がない場合、物件の担保評価が低い可能性が考えられます。担保評価とは、その物件に融資した金額に見合う価値があるかの評価です。

借りた人が返済できなくなった場合に物件を売っても融資したお金が回収できなければ、その物件の担保評価は希望する借入額より低いと見なされるのです。

残っている他の借入の返済

返済負担率が金融機関の基準を超えている場合、住宅ローン以外の借入を返済することで仮承認してもらえるケースです。返済負担率は、住宅ローン以外のすべての借入の返済額で判定します。そのため、カードローンやカーローンなどがあるために、返済負担率の基準を満たせないケースもあります。

その場合に、他の借入を返済すれば仮承認するという条件です。手持ちの資金で返済できるのであれば、比較的解決しやすい条件といえます。

保証料の加算

一部の金融機関では貸倒れのリスクを軽減するため、保証料を加算することで仮承認することがあります。保証料とは、住宅ローンを借りる際に連帯保証人の代わりに保証会社の保証を受けるためのお金です。借りた人が住宅ローンを返済できなくなったときに保証会社に返済の肩替りをしてもらえます。保証会社に返済してもらった場合、保証会社に対して返済をしなければなりません。

保証会社が借りる人の貸倒れリスクが高いと判断した場合、保証料の加算を求められる可能性があります。

連帯保証人の追加

住宅ローンにおいて基本的に連帯保証人は不要ですが、事前審査(仮審査)の承認条件の一つとして連帯保証人を追加することが求められる場合があります。連帯保証人とは、住宅ローンの契約者が返済不能になった場合、契約者の代わりにローンの返済義務を負う人のことです。

申込者の返済能力や信用情報に関して不安要素があると判断された場合、連帯保証人を立てることで承認するケースがあります。

条件付きでも借りられないわけではない!

事前審査(仮審査)において、条件付き承認となった場合でも住宅ローンを借りられないわけではありません。返済能力や信用情報に課題がある場合に、条件を満たせば承認するというものであるためです。慌てずに課された条件をクリアすることで、本審査で承認となる可能性が上がります。

まずは必要な条件をクリアするための準備を行いつつ、住宅購入に向けた他の手続きも並行して進めていきましょう。

 

監修

松田 聡子(まつだ さとこ)/ファイナンシャルプランナー
群馬FP事務所代表。日本FP協会認定CFP®・DCアドバイザー・証券外務員2種。ITエンジニア、国内生命保険会社を経て2009年に独立系FPとして開業。
「住宅ローンを無事に返済しきるには健全な計画が肝心」をモットーに住宅ローン相談にも対応中。
  • 【フラット35】子育てプラスが2月より開始!制度の概要と利用のポイントを紹介
  • 【2024年】住宅ローンと併せて利用したい補助金まとめ
  • 【2023年度】変動金利と固定金利の違いとは?金利タイプの選び方と今後の動向
  • 住宅ローンがあるけど引っ越したい場合どうすればよい?
  • ボーナス払いで住宅ローンを繰り上げ返済してもよいの?仕組みやメリットを解説
  • 住宅取得資金贈与の非課税は、タイミングを逃さないよう注意!
  • 住宅ローンの借り換えタイミングはいつがよい?判断のポイントと気をつけることを解説
  • 40年の住宅ローンを組んでも大丈夫?返済年数が長い場合のメリットとデメリットを整理
おすすめの記事