旦那が働けなくなったら住宅ローンはどうする?知っておきたい対処法を紹介

突然の病気や失業によって、家計が揺れ動くことは誰にでも起こりえます。そうなった際、一番困るのが毎月発生する支払いが滞ってしまわないかということです。借入れた住宅ローンの返済中に思わぬトラブルが起きて返済が難しくなってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では、さまざまな理由で旦那が働けなくなってしまった場合、住宅ローンの返済や手続きはどのようにしたらよいか、対処法や利用できる制度などについて解説していきます。

もちろん何も起きないのがベストではありますが、転ばぬ先の杖としてぜひご一読ください。

【目次】
住宅ローンを申し込む前に旦那が働けなくなったらどうなる?
住宅ローン返済中に旦那が働けなくなったらどうなる?
住宅ローンを支払わなくてよくなるのは限定的
働けなくなった場合に活用できる制度を知っておく
旦那が働けなくなっても、住宅ローンの免除は難しい

住宅ローンを申し込む前に旦那が働けなくなったらどうなる?

住宅購入を検討中であり、これからローンを申し込もうとしているタイミングで働けなくなってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

住宅ローンの審査においては、申込者本人の収入の安定性が最も重視されます。もし申込者の収入が将来にわたって不安定となることがわかっている場合、返済能力の条件を満たせないため住宅ローンの審査が通りません。

家族内などで安定した収入のある人とペアローンを組むか、その人を申込者とすることで解決できる可能性もあります。これらを進める上においては詳細に戦略を練って対応する必要があるため、専門家へ相談することをおすすめします。

住宅ローン返済中に旦那が働けなくなったらどうなる?

住宅ローンを返済している期間中に、何かしらの事情で支払いが難しくなることもあるでしょう。働けなくなる主な理由としては大きな病気やけがなどに起因する場合と失業してしまった場合が考えられます。

ここでは、それぞれの場合についての状況を整理し、住宅ローンがどうなってしまうのかを解説していきます。

病気などで働けなくなった場合

思いがけない病気やけがで働き続けるのが難しくなってしまうこともあります。そうなると、収入が途絶える可能性があり、毎月の支払いなどの資金繰りが心配になります。

民間の保険や健康保険の傷病手当金などでしばらくは返済のめどが立てられるかもしれませんが、長期となるといずれ負担が重くなるでしょう。

団体信用生命保険の中には、死亡以外の病気や就業不能を保障するタイプがあります。そのようなタイプに加入している方は、保険金を返済に充てられます。

そのような手段のない方は金融機関に相談すると、返済期間の延長による返済額の減額など、返済計画の変更で対応してくれる可能性があります。早めに借入している金融機関に相談し、その後の方向性を固めることをおすすめします。

失業で働けなくなった場合

失業してしまった場合であっても、住宅ローンの返済が免除されることは残念ながらありません。そのため、失業時には資金繰りを調整する必要があります。

まずは失業手当の受給条件や手続きを確認しましょう。失業手当は一時的な収入源として活用すべきではありますが、長期で受け取ることは期待できません。

また、生活費を見直し無理のない範囲で支出を抑えることで住宅ローンの支払いへ充填することや、利用できる保険がないかの確認をすることなどの工夫も必要です。

失業した場合でも、早期に金融機関に相談して返済計画の見直しや猶予制度の活用を検討した方がよいでしょう。

住宅ローンを支払わなくてよくなるのは限定的

住宅ローンの返済は長期間にわたる負担となりますが、その期間中に何かしらの事情が発生して支払いが難しくなった場合でも、支払いが免除されるケースは限られます。

正確に言うと、住宅ローンの返済自体が金融機関から免除されることはなく、団体信用生命保険やその他の保険などを返済に充てるということになります。そのため、団体信用生命保険などを利用していない借入の場合には、返済を続ける必要があります。

一般的には、以下の場合においては団体信用生命保険が適用され、住宅ローンの返済が免除されます。

1. 契約者が亡くなった場合
住宅ローンの契約者本人が亡くなった場合、住宅ローンの残債が保険によってすべて弁済されます。

2. 障害や疾病で高度障害状態になった場合
障害や疾病によって、所定の高度障害状態となると、住宅ローンの残債全額が弁済されます。

住宅ローンの申込にあたっては保険などを利用して将来のリスクに備えることが重要です。住宅ローンの返済計画の中には有事の場合の対処を考慮し、長期的な視野で家計を守ることを意識しておきましょう。

働けなくなった場合に活用できる制度を知っておく

働けなくなった場合、家計を支えるために活用できる制度があります。
ここでは、主な例として傷病手当と障害年金の2つの制度を紹介します。

 傷病手当:
傷病手当は、働くことができなくなった際に支給される手当です。公的な健康保険(国民健康保険にはない)に加入している場合、病気やけがによって仕事を休まざるを得ない場合に一定の手当が支給されます。

 障害年金:
障害年金は、障害によって労働能力が低下した場合に支給される年金です。国民年金からは障害基礎年金が、厚生年金からは障害厚生年金が支給されます。障害の程度に応じて等級が決まり、等級に応じた年金が支給され、生活費の一部を補填する役割を果たします。年金の種類や等級によって支給額が異なるため、詳細を確認することが大切です。

詳細な条件や手続きについては、社会保険事務所や公的機関のウェブサイトを確認し、家計の安定を図るために活用してください。

旦那が働けなくなっても、住宅ローンの免除は難しい

本記事では、住宅ローン返済中に旦那が働けなくなる状況に備えるための対策や制度について解説してきました。

住宅ローンの申込時から返済計画を練るだけでなく、有事の際の備えとして保険や各種制度を把握しておくと安心して借入れることができます。住宅ローンの申込にあたっては家族にも詳細を理解しておいてもらうこともリスクヘッジになるため、事前に話し合いをしておきましょう。

 

監修

松田 聡子(まつだ さとこ)/ファイナンシャルプランナー
群馬FP事務所代表。日本FP協会認定CFP®・DCアドバイザー・証券外務員2種。ITエンジニア、国内生命保険会社を経て2009年に独立系FPとして開業。
「住宅ローンを無事に返済しきるには健全な計画が肝心」をモットーに住宅ローン相談にも対応中。
  • 2024年の住宅ローンはどうなる?住宅の買い時はいつ?
  • 住宅ローンの変動金利が上がる?住宅ローン検討で押さえるポイントとは【2024年】
  • 【フラット35】子育てプラスが2月より開始!制度の概要と利用のポイントを紹介
  • 【2024年】住宅ローンと併せて利用したい補助金まとめ
  • 【2023年度】変動金利と固定金利の違いとは?金利タイプの選び方と今後の動向
  • 住宅ローンがあるけど引っ越したい場合どうすればよい?
  • ボーナス払いで住宅ローンを繰り上げ返済してもよいの?仕組みやメリットを解説
  • 住宅取得資金贈与の非課税は、タイミングを逃さないよう注意!
おすすめの記事