住宅ローンを利用する流れは?必要書類と押さえておきたいポイント

初めて住宅ローンを利用する人にとっては、どのように手続きを進めればいいのか、どのような書類が必要になるか分からないというのも不安に感じる要因のひとつでしょう。この記事では、そのような不安を解消するために、住宅ローンを利用する流れと必要な書類、押さえておきたいポイントをご紹介します。

【目次】
住宅ローンを利用する流れ
住宅ローンの手続きで必要な書類の例
住宅ローンを利用する流れについて押さえておきたいポイント
流れを把握していれば不安は軽減される

住宅ローンを利用する流れ

住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、住宅の購入手続きと並行して、住宅ローンの契約手続きを進めていきます。

情報収集

住宅ローンは金融機関によって特徴や条件が異なるため、自分に合った商品を選ぶことがポイントです。インターネットで調べたり、金融機関に問い合わせたりして、商品内容や借入条件など、各金融機関の住宅ローンに関する情報を集め、比較しましょう。

購入を希望する物件を扱う不動産会社やハウスメーカーからは、提携する金融機関が取り扱う「提携ローン」を案内されることもあります。提携ローンは金利が優遇されたり、審査や契約手続きがスムーズに進んだりするメリットも期待できるため、有力な候補となります。

審査申し込み

利用したい金融機関が決まったら、必要書類を準備し審査を申し込みます。住宅ローンの審査は、通常「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2つの段階に分けて行われます。

事前審査では、申込者の年収や購入予定の物件の情報などから、住宅ローンの融資の可否が簡易的に審査されます。購入したい物件が決まった後、売買契約の前に行われ、事前審査の承認が売買契約の条件になることもあります。

本審査では、より詳細な情報・資料をもとに、融資可否の最終的な判断がなされます。団体信用生命保険(団信)への加入が条件となっている場合、健康状態の診査も同時に行われます。

審査完了までには、通常、必要な情報・書類をすべて提出後、事前審査で数日~1週間程度、本審査で1~2週間程度かかります。審査結果の連絡は、担当者からの電話やメールなどで通知されます。

契約書類等を郵送でやりとりする場合や書類の追加提出、不備による再提出などが必要になったときはこれ以上に時間を要すこともあります。記入内容に誤りがないか、添付書類に漏れはないかを提出(発送)前に十分確認しましょう。審査に通らず、別の金融機関で申し込みが必要になることもあるため、スケジュールにはなるべく余裕を持っておくことも大切です。

契約締結

本審査で融資が正式に承認されれば、金融機関と「金銭消費貸借契約」を結びます。

金銭消費貸借契約とは、借主(ローン契約者)が一定の利息を付けて返還することを約束し、借主(金融機関)からお金を借り入れる契約のことです。借入額や適用金利、金利タイプ、返済期間、繰上返済の方法や手数料、滞納時の対応、損害遅延金などについて、書面で詳細に取り決めを行います。

また、金銭消費貸借契約と同時に「抵当権設定契約」、保証会社を利用する場合は「保証委託契約」を行います。

抵当権設定契約とは、担保として対象物件(土地・建物)に金融機関を抵当権者とする抵当権を設定する契約のことです。保証委託契約とは、借主が返済できなくなったときに、金融機関へ代わりに返済してもらうことを約束する契約を指します。

融資実行・決済

融資実行日には、金融機関から借主の口座へ貸付金が振り込まれます。振り込まれたお金から不動産会社へ手付金を除いた購入代金を支払い、物件の引き渡しを受けます(決済)。その後所有権の移転および抵当権の設定登記が完了すれば、手続き終了です。

登記手続きは、通常司法書士に依頼します。そのため、融資実行から登記までの一連の手続きは、ローン契約者(買主)、金融機関の担当者、司法書士の三者が金融機関の店舗などに一堂に会し、同日に行うのが一般的です。

住宅ローンの手続きで必要な書類の例

住宅ローンの審査手続きでは、申込書のほか、主に次のような書類が必要になります。

本人確認書類

本人による申し込みであることを確認するため、公的な身分証明書の提出を求められます。申込者本人以外に、収入合算者や担保提供者がいる場合は、収入合算者・担保提供者の本人確認書類の提出も必要です。

<本人確認書類の例>

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 健康保険証
  • 住民票の写し(家族全員・続柄記載、本籍地・マイナンバー未記載のもの) など

収入関連書類

住宅ローンを返済できる安定した収入があるかを確認するため、源泉徴収票や確定申告書などの税務書類の提出を求められます。

<収入関連書類の例>
職業や収入形態、確定申告の有無によって、提出する書類の種類・期間が異なります。

給与所得者は通常、直近1年分の収入関連書類の提出を求められます。それに対し、比較的収入の変動しやすい個人事業主や法人代表者・役員などは、直近3期分の確定申告書や決算報告書の提出を求められるケースが一般的です。

収入合算を行う場合には、申込者本人、収入合算者ともに収入関連書類の提出が必要です。

▼給与所得者

  • 源泉徴収票(通常、直近1〜2年分)
  • 住民税決定通知書 など

▼個人事業主(確定申告者を含む)

  • 確定申告書の写し(通常、直近3年分)
  • 納税証明書 など

▼法人代表者・役員

  • 源泉徴収票
  • 確定申告書(通常、直近3期分)
  • 法人の決算報告書(通常、直近3期分)
  • 法人税納税証明書 など

物件関連書類

ローンの対象となる物件に担保としての価値があるか、融資対象としての条件を満たしているかを確認するため、物件関連書類の提出を求められます。

<物件関連書類の例>

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 建築確認済証
  • 間取図・配置図
  • 登記事項証明書 など

実際に必要な書類は、事前審査と本審査、新規借り入れなのか借り換えなのか、審査を申し込む金融機関や商品、購入する物件によっても異なります。申し込む前に必ず金融機関に確認して準備しましょう。前もって準備しておく場合は、書類の有効期限に注意が必要です。

また、住宅購入や住宅ローンの契約には実印と印鑑登録証明書が必要となります。印鑑登録をしていない人は、早めに登録を済ませておきましょう。手続きは住所地の役所窓口に印鑑と本人確認書類を持参して行います。

住宅ローンを利用する流れについて押さえておきたいポイント

手続きがスムーズに進むよう、住宅ローンを利用する際には次のようなポイントを押さえておきましょう。

住宅ローンの審査申し込みから契約までは一定の時間がかかる

住宅ローン契約の完了までには、事前審査の申し込みから1カ月程度、場合によっては2カ月程度かかることもあります。

手続きに時間がかかったり、審査に通らず再申し込みが必要になったりすることも想定したうえで、決済・引渡日から逆算して、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

書類の準備に手間取らないよう、あらかじめ必要書類を確認し、前もって手配しておくと良いでしょう。

注文住宅を購入する場合は住宅ローン以外にも資金調達が必要

注文住宅は、建物完成前に土地代金や建物の工事代金の支払いが必要になります。住宅ローンは、住宅の引き渡しに合わせて振り込まれるため、完成前に必要となるこれらの支払いには利用できません。そのため、土地代金や建物の工事代金は、住宅ローンとは別に資金を確保しておく必要があります。

これには自己資金のほか、つなぎ融資などが利用されます。

つなぎ融資とは、住宅が完成して住宅ローンが実行されるまでに必要な資金を一時的に借り入れるものです。住宅ローンの融資によって完済するため、つなぎ融資を利用するには、住宅ローン融資の承認が得られていることが条件です。

リフォーム費用を含める場合は申込時に見積書の提出が必要

近年は中古物件の購入し、同時にリフォームを行う人が増えています。このようなケースでは、住宅購入資金にリフォーム費用を含めて住宅ローンを組むことが可能です。

住宅ローンはリフォームローンよりも金利が低い傾向があり、リフォーム費用を含めて住宅ローンを借りる場合、別々にローンを組むよりも返済負担を抑えられるメリットがあります。なお、審査申込時には物件関連書類としてリフォーム工事代金の見積書の提出が必要です。中古物件の購入とリフォームを同時に行う場合、物件選びと並行してリフォーム方針や施工会社の選定を進める必要があるため、スケジューリングも重要です。

中古物件のリフォームでは「耐震性の向上」「空き家の有効活用・地域活性化」「住宅の長寿命化」などの観点から、国・自治体の補助金や減税制度、住宅ローンの優遇金利などを利用できる場合があります。対象となる制度がないかインターネットで調べたり、自治体や金融機関、不動産会社などの担当者に相談したりすると良いでしょう。

流れを把握していれば不安は軽減される

融資全体の流れや必要な書類を把握しておけば、住宅ローンの手続きに関する不安は軽減され、スケジュールも立てやすくなります。今回ご紹介した流れや必要書類は金融機関やローン商品、購入する物件、申込者の状況により異なる可能性もあるため、実際に利用する金融機関に内容を確認するようにしましょう。

監修

竹国 弘城(たけくに ひろき)/1級FP技能士、 CFP認定者

証券会社、生損保総合代理店での勤務を経てファイナンシャルプランナー(FP)として独立。相談者の利益を第一に考え、自分のお金の問題に自分自身で対処できるようになるためのコンサルティングや執筆活動などを行う。

 

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