【2023年度】変動金利と固定金利の違いとは?金利タイプの選び方と今後の動向

住宅ローンを組む際に、変動金利と固定金利のどちらを選べばよいか迷ってしまう人も多いでしょう。

本記事では、金利タイプの基本的な概要から、金利タイプの選び方、今後の金利予測について解説します。これから住宅ローンを組む予定の人はぜひ参考にしてください。

【目次】
住宅ローンを借り入れるときの金利タイプとは
金利タイプはどうやって選べばよい?
最近の動向と今後の予測
金利動向に注意品しつつ、家計のバランスを大事にしよう!

住宅ローンを借り入れるときの金利タイプとは

住宅ローンを組む際に、次の金利タイプを選択することになります。

・変動金利
・全期間固定金利
・期間固定金利

それぞれ性質が異なり、自身のニーズに応じて適切なものを選ぶ必要があります。
以下では、それぞれの金利タイプについて詳しく見ていきましょう。

変動金利

変動金利は金利が固定されていないタイプのローンです。半年ごとに金利が見直され、市場状況によって金利が変動します。金利が上がれば毎月の返済額が増加し、金利が下がれば毎月の返済額は減少する仕組みです。

変動金利を選択する大きなメリットは他の金利タイプよりも金利が低いことです。金融機関によっては金利差が1%以上開いていることも多く、近年の低金利時代においては変動金利を選択した方が有利になっています。

しかし、その一方で金利市場が上昇局面になると、毎月の返済負担も増えてしまい、家計に影響を与えてしまう可能性があります。そのため、今後も金利が低水準を維持できるかを十分考慮した上で変動金利を選択する必要があるでしょう。

全期間固定金利

全期間固定金利とは、借入当初から完済時まで金利が変動しないタイプのローンです。
金利市場が上昇局面でも金利は変わらないため、返済負担も安定し将来の返済計画が立てやすいメリットがあります。

その反面、低金利時代においては変動金利よりも金利が高くなり、毎月の返済負担は大きくなりがちです。もし、返済期間中ずっと低金利の局面が続いた場合、変動金利よりも利息総額が多くなってしまいます。

そのため、今後は金利が上昇していくだろうと予想している人は全期間固定金利を選択することが賢明かもしれません。また、返済負担よりも、安定した返済計画を進めていきたい人にもおすすめできます。

期間固定金利

期間固定金利とは、借入当初からあらかじめ設定した期間までの金利が固定されているタイプのローンです。設定した期間の金利は固定されており、期間終了後は自身で再度金利タイプを選択することになります。

固定金利を適用する期間は、2年・3年・5年・7年・10年・15年など幅広い選択肢があり、自身のライフスタイルに合わせて決めることが可能です。

期間固定金利のメリットは設定した期間中は金利が固定されていて安心感があることです。たとえば、子どもが成人するまでの10年間は返済負担を安定させておきたいなど、特定のライフイベントに合わせて金利の安定を図れます。

しかし、固定期間終了後は適用金利が上昇し、返済額が大幅に増える可能性がある点に注意が必要です。10年固定型住宅ローンについて詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。

10年固定型住宅ローンのメリット・デメリット!変動型との違いも解説

金利タイプはどうやって選べばよい?

金利タイプはどちらが有利かだけで選ぶのではなく、自身のライフスタイルに適したものを選択することが重要です。以下では、家計の状況や今後の金利状況を見通したプランを紹介します。

「今後、子どもの教育費の負担が増えていきそう」
住宅ローンの返済に加えて子どもの教育費が増えていくような場合では、子どもの教育費負担が落ち着くまで固定金利を選択し、返済負担を安定させるのが1つの方法です。

「資産形成が進んでいて資金に余裕がある」
ある程度資産形成ができ、繰上返済が可能な状況にある人は変動金利を選択してもよいでしょう。変動金利のデメリットは金利が上昇すると返済負担が増えてしまうことです。しかし、金利が上がった際に一括返済ができればこのようなリスクは回避できます。

「今後金利が上がりそう」
今後金利が上がると予想する場合は、全期間固定金利を選択した方が返済負担は増加しないため安心です。反対に、金利が下がると予想する場合は、低金利で借り入れできる可能性がある変動金利を選択するとよいでしょう。

最近の動向と今後の予測

変動金利と連動している短期プライムレートはマイナス金利が維持されている状況です。一方の固定金利については、日本銀行が10年物国債利回りの変動幅をプラスマイナス0.25%から0.5%、そして2023年10月31日には1%超えまで許容したことから上昇に転じています。

この状況を受け、住宅ローンの利用にあたっては、変動金利の今後の上昇に対する懸念が高まっているため、固定金利を検討する人の増加が予想されるでしょう。実際の意識調査でも固定金利を利用したいという意見が増加していることが明らかになっています。

今後の金利については、もし、日本銀行が現在の物価高を抑制するために金利を引き上げ始めた場合は、変動・固定の両方の金利が大きく上昇する可能性があります。そうなれば、変動金利を選択している人の返済負担が大きくなってしまうかもしれません。

海外の金利についても、この数年間でインフレが加速していたため金利は上昇傾向でした。もし、今後インフレが抑制されれば金利が落ち着く可能性はあります。ただし、中東情勢やウクライナ問題が深刻化すれば、物価高がさらに進むため、金利の先行きは不透明といえるでしょう。

参考:住宅金融支援機構 住宅ローン実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】

金利動向に注意品しつつ、家計のバランスを大事にしよう!

本記事では、金利のタイプの概要を説明し、金利タイプの選び方や今後の金利予測についても解説しました。

金利動向に注意して、最適な金利タイプを選択することは重要ですが、家計のバランスを図ることも重要な要素です。家計バランスを整え、資産形成を進めていくことで、大幅な金利上昇による毎月の返済負担の増加にも対応できます。一括返済という選択肢を取ることもできるでしょう。

もし、資産形成がうまく進まない場合は、お金の専門家などに一度相談してみることをおすすめします。

 

監修
辻本 剛士
辻本 剛士(つじもと つよし)/ファイナンシャルプランナー
神戸で活動中の独立型FP。高度な専門性が求められるFP1級、CFPに独学で合格し、2023年1月から開業。
個人向けFP相談と金融に関するWEBライター業務をメインに活動中。
 
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