住宅ローン控除はいつまで?条件ごとに異なる適用期日や確定申告期限を解説

住宅ローンを借り入れてマイホームを取得した場合に受けられる所得税の減税制度「住宅ローン控除」。

住宅ローン控除は、住宅の床面積や住宅環境性能、建築確認を受けるタイミングによって、控除期間や控除上限額などが異なります。

今回は、住宅ローン控除で損しないために理解しておきたい適用期日や確定申告期限などについて解説します。

【目次】
住宅ローン控除は2022年税制改正で大幅改訂
住宅ローン控除が受けられるのはいつまで?
「40平米以上50平米未満」の住宅が住宅ローン控除を受けられるのはいつまで?
住宅ローン控除を受けるにはいつまでに確定申告すればいいの?

住宅ローン控除は2022年税制改正で大幅改訂

住宅ローン控除は、2019年に消費税増税の影響を緩和する目的で控除期間が13年に延長されたり、新型コロナウイルスによる経済的影響に配慮して控除期間13年の適用期間をさらに延長したりと、そのときどきの経済情勢にあわせて改訂されてきました。2022年度税制改正でも、大幅に改訂しています。

ここでは、2022年度の税制改正で改訂された住宅ローン控除の内容について解説します。

住宅ローン控除の2022年税制改正についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

住宅ローン控除とは?2022年度税制改正の主なポイントや注意点も解説

控除率は0.7

2022年度の税制改正によって、住宅ローン控除の控除率が従来の1%から0.7%に引き下げられることになりました。

そもそも、住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れてマイホームを取得する人の金利負担を軽減する目的で創設された制度です。

近年は、住宅ローンの金利が1%を下回る商品がいくつも登場し、実際の金利負担より控除額が上回る「逆ザヤ」現象が見られるようになりました。本来の趣旨から外れる状態を改善すべく、2022年度税制改正で控除率が引き下げられたのです。

控除期間は新築「13年」・中古「10年」

 

取得等する住宅の区分 入居する年 控除期間
2022年 2023年 2024年 2025年
新築住宅・買取再販住宅 認定長期優良・認定低炭素住宅 5,000万円 4,500万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
一般住宅 3,000万円 2,000万円※1 13年※1
中古住宅 認定住宅等 3,000万円 10年
一般住宅 2,000万円

※1:2024年以降の控除期間は10年となり、登記簿上の建築日付が2024年7月1日以降の新築住宅は、2023年末までに建築確認を受けたものを除いて対象外となります。

 

控除期間は、新築住宅と中古住宅で異なります。新築住宅は「13年」、中古住宅は原則「10年」です。ただし、中古住宅の中でも「買取再販住宅」は、控除期間が新築住宅と同様「13年」となります。

買取再販住宅とは、不動産業者が買い取った中古住宅をリフォームやリノベーションして再販する住宅です。売主が不動産業者となりますので、消費税が課税されます。

最大控除額は省エネ性能によって異なる

取得等する住宅の区分 2022~2023年入居 2024~2025年入居
新築住宅・買取再販 認定住宅 35万円×13年=455万円 31.5万円×13年=409.5万円
ZEH水準 31.5万円×13年=409.5万円 24.5万円×13年=318.5万円
省エネ基準 28万円×13年=364万円 21万円×13年=273万円
一般住宅 21万円×13年=273万円 0or14万円×10年=140万円※1
中古住宅 認定住宅等 21万円×10年=210万円
一般住宅 14万円×10年=140万円

※1:登記簿上の建築日付が2024年7月1日以降の新築住宅は、2023年末までに建築確認を受けたものを除いて対象外となります。

 

住宅ローン控除の最大控除額は、環境性能によって異なります。

例えば、新築のZEH水準省エネ住宅(2023年末までの入居)の場合、各年の控除額は、借入限度額4,500万円×控除率0.7%=31.5万円が上限となります。

また、買取再販ではない中古のZEH水準省エネ住宅であれば、3,000万円×0.7%=21万円が1年の控除額の上限です。

住宅ローン控除が受けられるのはいつまで?

ここでは、住宅ローン控除を受けられる期間について解説します。入居日や建築確認のタイミングによっては、控除が受けられなくなるため注意が必要です。

2022年度税制改正で「4年」延長

2021(令和3)年末で終了する予定だった住宅ローン控除ですが、2022年度の税制改正によって4年延長となり「2025(令和7)年末」まで受けられることになりました。

新型コロナウイルスで落ち込んだ景気の回復や、環境性能に優れた住宅の普及を目的として延長されています。

住宅ローン控除の適用を受けるには2025(令和7)年12月31日までに、実際に居住を開始しなければなりません。

不動産は、売買契約締結日と実際に入居する日に一定の期間が空くのが一般的です。

例えば、2025年12月25日に売買契約、2026年1月10日入居の場合、適用外となってしまうので注意が必要です。

部の新築住宅は「2023年建築確認」まで

認定住宅等に該当しない一般の新築住宅で住宅ローン控除の適用を受ける場合、2023年末までに建築確認を受けていれば借入上限額2,000万円、控除期間13年となります。しかし、建築確認を受けるのが2024年以降になると、住宅ローン控除の適用対象外となるので注意が必要です。

2022~2023年には最大273万円の控除が受けられる一般新築住宅が、2024年以降は控除対象外となるので控除額は0円となります。

「40平米以上50平米未満」の住宅が住宅ローン控除を受けられるのはいつまで?

従来まで、住宅ローン控除が適用されるのは床面積50㎡以上の住宅を取得した場合に限られていました。しかし、2021年度の税制改正によって新築住宅の床面積要件が50㎡から40㎡へ緩和されました。

よって、2023(令和5)年12月31日までに建築確認を受けた新築、または建築後使用されたことのない住宅を取得する場合は、40㎡以上50㎡未満でも適用可能です。

40㎡~50㎡というと、1LDK~やや小さめの2LDKほどの間取り。これまで住宅ローン控除が受けられなかったコンパクトマンションや狭い土地を活かした狭小住宅なども控除の対象となるため、この改正は単身者やDINKS世帯にとって朗報といえるでしょう。

40平米台でも住宅ローン控除が受けられる要件

40㎡~50㎡の住宅は、50㎡以上より住宅ローン控除の適用要件が厳しくなります。

40㎡台でも住宅ローン控除が受けられる要件は、2023年末までに建築確認を受けていて、合計所得金額が1,000万円以下であることです。

住宅ローン控除の広さ要件が緩和されたのは、核家族が増え小規模住宅の需要が増えたからです。しかし、所得の高い世帯まで含まれるのは適切ではないと判断し、所得の制限を1,000万円以下としました。

そのため、住宅ローン控除の適用期間中に合計所得金額が1,000万円を超えた年は適用されなくなるので注意が必要です。

【マンションは注意!】平米数は「登記簿上」のもの

マンションを購入する場合は、必ず登記簿上の床面積を確認しましょう。

マンションの場合、一般的に不動産の広告チラシやパンフレットには「壁芯面積」が掲載されているので、登記簿上の床面積とは異なる可能性があるからです。

床面積の算出方法は、壁の内側から測定する「内法面積」と壁の中心から測定する「壁芯面積」の2つがあります。

マンションの専有面積は壁の中心から測定する壁芯で計算しているため、壁の厚み分、登記簿面積よりも大きくなります。

そのため、マンションパンフレットを見て床面積40㎡の要件をギリギリでクリアしていると思って購入しても、登記簿上の床面積では要件を満たしていない広さになる可能性もありますので注意が必要です。

住宅ローン控除が受けられずに後で悔いることのないように、事前に登記簿の床面積を確認しておきましょう。

住宅ローン控除を受けるにはいつまでに確定申告すればいいの?

住宅ローン控除を受けるにはサラリーマンも自営業者も確定申告を行う必要があります。ここでは、確定申告の時期と必要書類について解説します。

確定申告前に把握して準備しておけば手続きがスムーズに進むでしょう。

1年目は確定申告が必要

これまで税務署に行ったことがないという人も、住宅購入の翌年は確定申告に行くようにしましょう。住宅ローン控除として、納めた税金の控除分が還付されます。

例えば2022年に住宅ローンを利用して住宅を購入した場合は、2023年の1月1日以降に還付申告の手続きを行えます。

申告書類は、税務署のホームページからダウンロードでき、必要な手続きを踏めば電子申告をすることも可能です。

申告が終われば、所得税の還付は2~3ヶ月後、指定した口座に還付金が振り込まれます。また、所得税から控除しきれない分は、9.75万円を上限に住民税からも控除されますが、住民税については還付金があるわけではなく、控除額が引かれた税額を納税します。

以上の手続きは、自営業者であれば翌年以降も同じです。サラリーマンの場合は、初年度だけ確定申告を行い、2年目以降は会社の年末調整で対応するのが通例です。

毎年11月頃に「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」などを、他の控除に関する書類合わせて勤務先に提出して手続きを依頼します。

住宅ローン控除は、自動的に適用になるわけではありません。自ら確定申告する必要がありますので、確実に手続きするようにしましょう。

確定申告時期

通常の確定申告は、例年2月16日~3月15日の間に行いますが、住宅ローン控除は確定申告の時期を待たずに申告年の1月1日から手続きが可能です。

他に申告すべきものがなければ、窓口の混み合わない早い時期に済ませることをおすすめします。

万が一、確定申告時期に間に合わなかった場合でも、5年以内に税務署に申告すれば住宅ローン控除を受けられます。ただし、住民税については納税通知書が発送される前に申告しなければ控除は受けられませんのでご注意ください。

確定申告に必要な書類

住宅ローン控除を受けるには、住宅購入をした翌年に必ず確定申告を行う必要があります。1年目の申請で必要な書類は以下の通りです。

必要書類 入手場所
住民票の写し 市町村役場
借入金の年末残高証明書 住宅ローンを契約した金融機関
建物の登記事項証明書 法務局
工事請負契約書の写し 不動産会社・住宅メーカー
売買契約書の写し 不動産会社・住宅メーカー
源泉徴収票の写し 勤務先
確定申告書 税務署
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署
マイナンバーカードなどの本人確認書類 市町村役場
認定書等の写し(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合) 不動産会社
耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写し(一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合) 不動産会社

 

サラリーマンの場合、2年目以降は「住宅借入金等特別控除申告書」と「借入金の年末残高証明書」を年末調整の時に勤務先に提出します。

「住宅借入金等特別控除申告書」は住宅ローン控除の確定申告をした年の10月頃に税務署から、「借入金の年末残高等証明書」は毎年10月以降に住宅ローンを契約した金融機関などから送られてきます。

「住宅借入金等特別控除申告書」は一度に残りの年数分の枚数がまとめて送られてくるので、控除期間中紛失しないように注意が必要です。

 

今回解説した住宅ローン控除は、2022年度の税制改正によって2025(令和7)年12月31日までの入居に延長されました。

住宅ローン控除は、節税効果の高い制度ですが、控除の恩恵を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。

住宅ローン控除は、入居した年や住宅環境性能によって受けられる控除額にも差が生じるため、これから住宅購入を検討されている方はご自身にとって最適なタイミングや住宅を選択するようにしましょう。

監修

亀梨 奈美(かめなし なみ)/住宅ローンアドバイザー

大手不動産会社退職後、フリーライターとして独立。2020年株式会社realwaveを設立し代表取締役に就任。
「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに、メガバンクや不動産会社のメディア、不動産専門紙などで多くの記事を執筆・監修。

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